いつもの大型スーパー、入り口入ってすぐは地元農家さんの野菜コーナーです
その日は、まるで万願寺とうがらしみたいなピーマンらしき袋が「大きいけれどやわらか~い」と超目立つ札つき!その後ろに普通の、しかしながら随分丸っこいピーマンが6個も入って213円、安い!見ればその袋のタグに〇〇〇〇の名前!懐かしい、多分昔いらしてた患者さんの小っちゃかった息子さん!
確かもう20年以上前、お母さんに連れられて来て下さってたお子さんに違いない、そう思った私は迷わず濃い緑色の丸っこいピーマン買いました
果たして、帰ってすぐ袋開けたらコロコロっと出てきたピーマン。あの時お母さんの後ろに隠れるようにしていた丸顔の○○ちゃんみたい・・
早速、ナスとしぎ焼に、残りはちりめんじゃこと炒めて常備菜にしました。しっかりしたピーマンなのに、とっても柔らかくて美味しい美味しい
常備菜と言えばあの頃、皆さんに受けて頂いていた「唾液検査」の判定資料として「ダイエットクロック(3日間の摂食状況)」ご協力頂いていた際、特にご年配のかたの用紙に「常備菜」という記載が多く、若い歯科衛生士さんから「常備菜」って何ですか?とよく聞かれました。説明するとすぐ「アッ、いつも家で食べてるあれですね」と盛り上がりながら合点したりして、我が家の常備菜自慢になったりしました
歯科は特に「生活者である患者さん」のお口の中を拝見することだから、との院長の方針でしたから、患者さんと十分なコミュ二ケーションとることが大切でした。日々を伺うことにより、患者さんには多くを学ばせて頂き、虫歯のなりやすさや、口腔内のトラブルを理解頂き改善する手立てになりました
偶々美味しいピーマンに出会って患者さんご家族が作られたと気づき、感慨深く思い出しました
「大きいけど柔らかいよ」と目立つように書いてあるピーマンよそに、な~んにも書いてないけれど小さくてまん丸で色鮮やかで・・。それだけで「美味しいよ」とピンときて、ひょっとしてあの患者さんの息子さんが作ったのかも?と地味なピーマン買った私、大当たりでした
今、各業界が「こちらはこうですよ!」「これこれに自信あります!」「業界最安値だけど最高の品質」等々、ネットにテレビに言葉が踊る時代。ただ普通に野菜売り場に並んだピーマンは静かに「食べてくださればわかります」と言ってるようでした・・
そう言えばこの農家さんのお父さんは、定期メンテナンスにいらっしゃる際、いつも髪の毛も黒々と、洗い立てのシャツやトレーナー召して来院、なので受付さんが「いつも若々しくてらっしゃいますね」と申し上げたことがあって、「いやぁ予約の前にはそこの薬局で白髪染め買って染めてさ、作業の後洗濯したてのシャツに着替えてくるのよ」と。続けて「だって、先生も歯科衛生士さんも、近い距離でケアしてくれるんだから、清潔にしてこなきゃ失礼じゃない?」そうおっしゃったことでした・・
このようにお気遣い下さって、定期メンテナンスを習慣にされた患者さん、恐縮致しました。時に両手に余るほどのニンジンをお持ち下さり、「取れすぎちゃったから、ビタミンAは体にいいんですよ」と、スタッフ共々ありがたく美味しく頂戴しました
本当の本物って、意外と身近にあるんじゃないでしょうか?
来院なさる際のお気遣いとお口の健康へのご理解、頂いた甘いニンジン、たまたま出会った成長なさった息子さんのと思われる柔らかく美味しいピーマン、繋がっていることのすばらしさに感謝し、小さくて大きな幸せ感に包まれた一日でした