折々のことば 3282

「あそこに仮設住宅が建つのに、なんで3カ月から6カ月かかるの?大学の先生だったら来週建ててよ!」 宮城県石巻市の小学生

東日本大震災後に訪れた避難所で小学生にこう問い詰められ、建築家・北川啓介はそれを機に短時間で組み立てられるインスタントハウスの研究に取りかかった。美しい建築よりも先ずは子どもらの想いに応えるものをと。能登半島地震の際も、行政の要請も待たずに現地入りし10棟設置したという。ホームページ「北川啓介研究室」から。2024・12・3

子どもの素直な声に聴く耳もって、応えようとする方がいる。なのにああじゃないこうじゃない・・と妙な段取りや、つまらないメンツやらなにやら、理解しがたいものが右往左往する国日本。イザッという時に動けるようにするには、普段の生活にもっと目をとめ、実情をよく見て、子どもの素直な声にも耳を傾け、頭やわらくして考え対応する大人でないといけないなぁ・・

そう言えばかつて日医大の癒しの環境研究会で学ばせて頂いていた時、阪神大震災の時だったと思うが、初めて「段ボールベッド」が紹介され、皆驚きを持ってウエルカムしたものだった。今ではかなり普及していると聞くも、被災地の様子を伺うと相変わらず体育館の冷たい床にごろ寝してらっしゃるのを散見する。急な災害に遭遇して、寝る所もままならない様子を目にするたび、この小学生の見つめる目を!声を!真摯に受け止めないといけないと強く思い、このような点に最初に光を当てる国であってほしい、ありたいなぁと強く思う

もうすぐあのお元日の地震から一年になる。続いての水害。被害にあわれた方々の生活の再建が進まれんこと、ご家族のご健康、安寧を願わずにいられない

思いつき、つぶやきの数々、この一年も拙い文におつきあい下さり有難うございました
寒さ増します折、インフルエンザも流行っております。どうぞ皆さま、おからだ専一になさって、良いお年をお迎えくださいませ
皆さまのお幸せと安寧を、お祈り申し上げます

 

チンパンジーも人の目を気にする?

この6月28日「オランウータン薬草使い治療?」とスマトラ島に住む「ラクス」というオランウータンが自ら薬草を使い顔の傷に塗って治療する話を紹介しました

そしたら今度は、チンパンジーが多くの観客が居ると、能力を高く発揮したり。逆にミスを連発したりするらしい、と京大ヒト行動進化研究センターのチンパンジーが、数字課題に挑んだ記録を分析した結果から判明したようです
普段から接している実験者が多いほど難しい課題では成績が上がったが、簡単な課題では成績が下がったとか

このチームの山本真也准教授は、「チンパンジーにも”観衆効果”が一定程度みられることを実証できた。今後探求したい・・と。

人間は観衆の存在によってパフォーマンスが大きく影響されることがある。多くの観客が詰めかけて野球場で、調子を上げる選手もいれば、逆にプレッシャーに負けて力を発揮関内選手もいる、これが「観衆効果」

人間に一番近いチンパンジーでも観衆効果があるかを調べるため、6頭のチンパンジーが2009年から2015年まで数字課題に挑んだ計9219セッションの成績と、その時の見学者の種類や数との関係を分析しました結果、最も難しい課題では、チンパンジーにとって最も近い存在である実験者の数が多いほど、正答率が向上したそうです。

一方、最も簡単な課題では、実験者が多いほど、正答率が下がった、実験者が一人増えるごとに正答率が6~11%低下する計算となった
見知らぬ見学者に対しては、成績に統計上の変化は見られなかったそうです

「人間の場合、仲間内に見られていると、自分の評価が気になる、チンパンジーも顔見知りか見知らぬ人かを見分けていて、何らかの心理的な変化が起こったのかもしれないとと推測しているとのことです
観客多いと能力発揮したり、ミス連発したり・・、仲間内に見られていると自分の評価が気になる・・親近感ありますねぇ

そんなぁ・・

笑っちゃう話をふたつ・・(ある新聞の投書)

☆彡英語の英
友人の英子さんが電話で住所と氏名を聞かれたとき、「えい子はどんな字を書くのか」と尋ねられ「英語の英です」と伝えたところ、しばらくして送られてきた宛名を見てビックリ!
「A子様」となっていた(笑)大阪府76歳→笑っちゃいますね。しかしながらまず今の世の中怖いですから、やたらに電話で教えちゃダメです。これ大事!

☆彡「ま」抜け
街路沿いの花壇に「すいません」と書かれたプレートが刺さっていた。何を謝っているのか、とよく見ると「すいせん」だった。奈良市・25歳→すぐ視力検査を

 

ことばあそびうた🌸また

谷川俊太郎さんの詩・瀬川康男さんの絵・福音館書店刊です

かってくった

いたかったら
いたかった
いたくったが
いたくはなかった

かゆかったら
かゆかった
かゆくったが
かゆくはなかった

うまかったら
うまかった
うまくったが
うまくはなかった

くさかったら
くさかった
くさくったが
くさくはなかった

 

ほっとけ    いつかご紹介済みのをもう一度

いけはほっとけ
こけははっとけ
たけはきっとけ
おけはおいとけ

つけはほっとけ
ふけはとっとけ
はけはほしとけ
かけはまけとけ

ごけはほっとけ
みけはかっとけ
さけはさけとけ
やけはやめとけ

     もう、ほんとに!フフフ・・

リハビリは人間の尊厳の回復である・多田富雄さん2006年

この9月に折々のことば3088・多田富雄さんの言葉を紹介しました。その中に、以前私たちが予防歯科発会の折、基調講演として免疫の第一人者でおられた多田富雄先生の難しいお話しに戸惑いながらも、「サイトカイン」という言葉だけは覚えていて、先ごろのコロナ蔓延でサイトカインストームという言葉に触れ、「あの時のあれだ!」と感じ入ったと書きました。またその後多田先生は脳梗塞患われ、専門部署にご意見申し述べたことを知りその内容知って尊敬申し上げたとも書きました。その記事が見つかったので遥か18年前のものですが、ご紹介したいと思います

・診療報酬改定、リハビリ中止は死の宣告  多田富雄 東京大名誉教授         2006年朝日新聞オピニオンより

私は脳梗塞の後遺症で、重度の右半身まひに言語障害、嚥下障害などで物も満足に食べられない。もう4年になるが、リハビリを続けたお陰で、何とか左手だけでパソコンを打ち、人間らしい文筆生活を送っている。

ところがこの3月末、突然医師から今回の診療報酬改定(2006年)で、医療保険の対象としては一部の疾患を除いて障害者のリハビリが発症後180日を上限として、実施できなくなったと宣告された。私は当然リハビリを受けることができないことになる。
私の場合は、もう急性期のように目立った回復は望めないが、それ以上機能低下を起こせば動けなくなってしまう。昨年別な病気で3週間ほどリハビリを休んだら、以前は50㍍は歩けたのに、立ち上がる事すら難しくなった。身体機能はリハビリをちょっと怠ると瞬く間に低下することを思い知らされた。これ以上低下すれば、寝たきり老人になるほかはない。その先はお定まりの衰弱死だ。私はリハビリを早期に再開したので、今も少しづつ運動機能は回復している。

ところが、今回の改訂(2006年)である。私と同様に180日を過ぎた慢性期、維持期の患者でもリハビリに精を出して居る患者は少なくない。それ以上機能が低下しないよう、不自由な体に鞭打って苦しい訓練に汗を流しているのだ。そういう人がリハビリを拒否されたら、すぐに廃人になることは、火を見るより明らかである。今回の改訂(2006年)は、「障害が180日で回復しなかったら死ね」というのも同じことである。実際の現場で、障害者の訓練をしている理学療法士の細井匠さんも「何人が命を落とすのか」と3月25日に書いている。ある都立病院では,約8割の患者がリハビリを受けられなくなるという。リハビリ外来が崩壊する危機があるのだ。
私はその病院で言語療法を受けている。こちらはもっと深刻だ。構音障害が運動マヒより回復が遅いことは医師なら誰でも知っている。1年経ってやっと少し声が出るようになる。もし180日で打ち切られれば一生話せなくなってしまう。口蓋裂の子どもなどにはもっと残酷である。この子らを半年で放り出すのは、一生喋るなというようなものだ、言語障害者のグループ指導などできなくなる。

身体機能の維持は、寝たきり老人を防ぎ、医療費を抑制する予防医学にもなっている。医療費の抑制を目的とするなら逆行した措置である。
それとも、障害者の権利を削って医療費を稼ぐというなら、障害者の為のスペースを商業施設に流用した東横インより悪質である。

何よりも、リハビリに対する考え方が間違っている。リハビリは単なる機能回復ではない。社会復帰を含めた、人間の尊厳の回復である。話すことも直立二足歩行も基本的人権に属する。それを奪う改定は、人間の尊厳を踏みにじることになる。そのことに気づいて欲しい。
今回の改訂によって、何人の患者が社会から脱落し、尊厳を失い、命を落とすことになるか。そして一番弱い障害者に「死ね」と言わんばかりの制度を作る国が、どうして「福祉国家」といえるのであろうか。

以上2006年4月8日朝日新聞オピニオンより
多田富雄 1034年生まれ。医学博士(免疫学)「生命の意味論」「独酌余滴」   等著書多数。

脳梗塞の後遺症と闘いながら、ご自身だけでなく人々のことを考え、人間の尊厳に言及し、国の策を憂いてこのような発信なさったことに頭を垂れます
この20年近い間に、病に伏す方々に光は当たるようになったのでしょうか?先日引用しご紹介した「医のアート」にも、医療はプリンシプルと現実のハーモ二イ、かみ合い。プリンシプルを立てる。そのプリンシプルを適用する時はいつもインディビジュアル(個別的)と1997年日野原先生、犬養道子さん共著の本にもありました(先月23・24・25日ご紹介しました)

体幹の大事さ みんな共通

長野五輪メダリストの清水宏保さん
最近はパラアスリートの方々との交流が増えてらっしゃると聞きます。今年のパリパラオリンピックでの選手の皆さんすばらしかったですね。深夜の放送でしたが時間忘れて応援してしまいました

清水さんおっしゃるには、体をひねることで、スピードやパワーが生まれるそうです。パラのトップアスリートは、手や足の動きが不自由なことが多い分、このひねりへの意識が高く言い方を変えると、体幹が強いのだそうです

体幹の強さは、パラアスリートだけでなく、健常者にも必要です。それはアスリートに限ったことではありません。一般の方にも、そして高齢者にも必要だと言っておられます
体幹と言うと、腹筋をイメージする人が多いと思うが、清水さんが大事だと思うのは、肋骨と肋骨の間にある肋間筋だと

椅子に座った状態で、自分の体ななめ後ろに45度ひねってみて下さいと。
その時に引っ張られる感じがするところが、肋間筋だそうです。あばら骨の間に筋肉があるそうです。多くのパラアスリートの活躍の秘訣は、ここにありそうだとおっしゃっています

この筋肉を鍛えると、たとえば転びそうになった時、バランスをうまくとれるようになります!の言葉に私も刺激されました。座った状態で出来るので、気楽にできそうです

パラアスリートを知ることは、高齢者の方々に分かりやすく体の使い方を伝えるヒントになる、そんなことを気づかされていますと言う記事に、アスリート清水さんのやさしい眼差しを感じました。これならやれそうです
「転んだら終わりよ!」私のそんな毎日に、いいこと伺いました♪
やってみましょう!

一生懸命だと

一生懸命だと 知恵が出る

中途半端だと 愚痴が出る

いい加減だと 言い訳が出る

そうだった・・そうだった、わかっちゃいるけどなんとか・な私
そう言えば、前にもここに同じ事書いたかも・・💦(言い訳)