折々のことば  3548

「だって こどもが しあわせなときは みんなが しあわせなときだもの」
                 てるおかいつこ (暉峻淑子)

経済学者の暉峻淑子さん、埼玉大学の教授として雑誌などにエッセーを書いていたころ「子ども向けにお金について説明する絵本を作りませんか?」と児童書出版会社・福音館書店からお誘いを受けたそうです。ただ、お金は当時は大人専用の世界で起きる、経済の本質を語るもの。子ども向けの説明は難しく悩んでおられました。そんな時「サンタクロースの絵本はたくさんあるけど、成長した子どもはサンタがいない事実を知った時にどんな気持ちになるでしょう。その後の気持ちも考えて本を作らなくては」と話し、これをきっかけにいわゆる「経済」とは正反対の存在、一方的に与えるだけの存在、一方的に与えるだけが仕事のサンタの話を書くことになったそうです、(クリスマスを過ぎ新年早々なのに、いいお話なのでご紹介いたします)

ご長男が3歳のクリスマス前夜、「サンタに会う」となかなか眠ろうとしないのをなんとか寝かしつけ、枕元にそっとプレゼントの積み木を置きました。朝が来るとご長男は積み木でひとしきり遊んだ後に、ママ、暉峻さんの枕元に贈り物がないことに気付き、積み木を分けて、慰めてくれたそうです
その時暉峻さん、愛された子供は、愛することができるようになるのだと悟られたと書かれています、サンタがいるということは、愛してくれる人間がいるということ。サンタが来ない子どもでも、「子ども達を助けたい」という人間の愛が絶えない限り、「サンタはいつか自分のところにも来る」という希望をなくすことはないでしょうともおっしゃっておられます
子どもが幸せな社会はあらゆる人にとってよい社会であり、サンタもそれを願っている、そんな思いを絵本に込めたそうです

この経済学者・暉峻さんの絵本は「サンタクロースってホントにいるの?」という題名でしたが、子どもに向けた「豊かさとは何か」(岩波新書)だったと今になって感じたとインタビューなさった方は語っておられます

月をまたいでしまって、新しい年の初めにサンタですが・・「サンタはどうして歳とっても死なないの?なぜお父さんお母さんには来ないの?なぜ僕の欲しいものがわかるの?」この質問の嵐に親は、子どものほしがっているものがわかる人だけがサンタになれる、サンタは子どもを歓ばせるのが何よりの愉しみだとおっしゃってこう付け加えられたそうだと書いてありました

・みんなが しあわせなとき
年の初めに 考えてみたくなりました・・・
昨年買った小さな植木鉢の沈丁花に小さなつぼみがつきました、白い花なのにつぼみは小っちゃくて赤いのです