新年あけましておめでとうございます。

 

 

戌年になりました。我が家は賀状を「狛犬」のデザインにしたら、印刷の方から「戌年ですが、この柄で大丈夫でしょうか?」と聞かれました。若い方には「狛犬」は馴染みではないのですね。

 

さて、歯科界では「予防」が当たり前になりました。虫歯・歯周病は細菌の感染症で、原因菌がどんな悪さするかわかっているものの、それにそれぞれのお口の中の状況が(リスク因子)として加わり発症します。発症と言っても又それぞれです。予防が当たり前になった今、なぜこんなにお口の中に、歯に歯茎に注目が集まったのかと考えると、「食べる」ということがいかに大切かということに尽きるのだと思います。
おしゃべり・笑う・歌う・・どれも大切ですが、食事できてこその私達・食べられてこその毎日です。

暮れにテレビの番組で、脳梗塞のために一か月腸瘻(胃瘻でなく腸から栄養流す)の方が、たった一ヶ月ですっかり口から食べられなくなったのを見ました。お顔に笑みはなく、寝たきりの様になられていて・・。

しかしこの患者さんに口腔外科医である歯科医が関わり、歯科衛生士や様々な方とチームを組んで、動かなくなったベロの運動訓練から始まって、ご本人もおつらいトレーニングを乗り切り、ついにご自分の口で再び飲み込めるようになった事実を見ました。この間誤嚥しないように慎重に慎重に進められたのには、本当に見ていて頭が下がりました。

かつて藤島先生という方が、人間が飲み込むというプロセスをレントゲンで解明発表され、衝撃だったことを今も思い出します。この時も衝撃的でしたが、今回のように、歯科医が脳梗塞の患者さんに直に関わり、人間らしく口から食べられるように貢献できる時代になったことを心から喜び、究極私達は「食べる」ことの支援に尽きると思いました。日々皆様が心がけているホームケア・定期ケア即ち予防も「美味しく食べる為」につきます。

この患者さんも、腸瘻で栄養は足りていても意気消沈そうでしたが、口から召し上がれるようになった時から、ご自分の意志でベッドから降りようとなさり、歩こうとなさって=生きようとしてらっしゃるんだなぁと見ている私達に伝わりました。たった一ヶ月寝たきりだっただけで細ーくなった足が、口から食べていないことのリスクを物語っていました。
感動的なテレビでした。
翌日同じ番組見たスタッフも、その感動を他のスタッフに話し「やっぱり
ご自分の口で食べられるのはうれしいわね」「お口の中様々でも、食べられる状況にして差し上げていればお元気になるのね」と。

年末に「希望のごはん」という本に出合いました。がんで噛む力を失ったご主人の為に奮起した奥様が、なんとご自分で介護食をつくられ闘病を支えた感動の本です。しかもトンカツからフレンチまで。ステキで美味しそうなビックリのごはん。表紙に「食べることは生きること」とあります。

 

朝霞・中央歯科クリニックは「歯も大切なからだの一部です」を掲げて1982年12月開業しました。

2018年のご挨拶を「食べることは生きること」として、皆様それぞれが「食べられるお口でいて頂けるように」予防を土台に(ホームケアと来院しての定期メンテナンスケア)皆様のお気持ちを伺いながら「食べられること」につながるように、生きるお気持ちにつながるようにお役に立ちたいと思います。

年末恒例の今年の世相を表す言葉に「北」の文字が選ばれました。「北」という文字は人と人とが互いに背を向けている姿を表しているそうです。
「食べる」支援には、様々な人や専門職の関りが必要です。それぞれが背を向けることなく「食べる」という大事なことに手を携えあって、食べることが、生きる希望につながるように参りたいと思います。

どうぞ本年も宜しくお願い致します。