季節のにおい

都内の気温がぐっと下がった日の天声人語は、いつもながらこの季節のキンモクセイと思ったら、樟脳のにおいの話だった。若い方はご存じないかもしれない。ひとむかし前、衣替えで冬物を出してくると、しまっておいた毛のものなどには虫除け保存のためにいれた「樟脳」のにおいが染みついていたものです

加えて、路上に散らばる銀杏のにおい。今でも近所では炭挟みで拾っていく高齢者も見られます。子供たちが不思議そうに見ると「手で触っちゃダメ、かぶれるよ」と

でもでもやはりこの季節は、キンモクセイ
マンション内でも先週から芳香が漂い始め、ある日突然「ここにいるよ」と鼻をくすぐると記事にあるように、通り過ぎてから「アッここにいたのね」と思うことしばしば。小さなオレンジ色の花なのに、どこに、このにおいの秘密があるのでしょう

そう言えば大人になってから、中華料理でだったでしょうか?「桂花陳酒」という甘いお酒をロックで出された時には心底驚き、キンモクセイの花を3年漬け込んだお酒で、楊貴妃が愛飲したとのことでした。
お酒になったら華やかで美味しいけれど、私的には「ここにいるよ」って通りすがりに出会う香りや、「アラッ去年もここに居たね」と道すがら出会う、キンモクセイの方が好きだなぁと、秋の到来に勝手に思ったことでした。寒くなりました・・