指導と支援

子育て中の方はご存知ですが、現在お子さんの市の検診は3歳児の前に、1・6歳児検診

というのがあります。歯科的に言えばちょうどミュータンス悪玉菌が、赤ちゃんのお口の

中に悪さをする時期で重要でもありますね。

一昨日TVで市の検診特集をやっていて、この中でのお母さま方の言葉が大変気になりま

した。「行くと保健師さんからいろいろ言われるのが、プレッシャーになって行きたくな

い」と。例えば、子どものお口の遅いことが気になっていると、「お母さんが話しかけて

ないんじゃないの?言葉かけしてる?」といわれるなど、保健師さんにしてみれば、少し

でもよかれと思って言うことでしょうが、日中お子さんと二人っきりで過ごしていたりす

るお母さんには、いっぱいいっぱいのとこがあって、「指導」ととられてしまうのでしょ

う。「支援」したい・力になりたいという保健師さんの気持ちにちがいありませんが、お

相手(お母さま)のお心持によって、その日のコンディシヨンによって、受け取りようは

違うようです。どちらにも悪気はないのです。

私にも同じ経験あります。当院では1998年から禁煙支援をしております。全面禁煙施

設として、タバコは虫歯・特に歯周病の原因の一つでもあるので、お口の健康を守る意味

でも、患者さんをおもい禁煙のお手伝いさせていただいております。でも1998年当

時は「指導」でした。今思えば、本当に独りよがりの指導だったと思います。「お口の中

を見れば一目瞭然」とばかりに、聖路加病院の禁煙教室で多少の勉強したこともあって

皆さんに良かれとお話ししました。今考えれば「知識のおしつけ」だったと思います。

「うるさいなあ」と思われたかもしれません。こちらが一生懸命すぎて、相手がいっぱい

いっぱいなこと気づきませんでした。そんな中でも禁煙成功し、感謝なさる方も多かった

ので、「指導」になっていることに気づきもせずでしたが、「精神対話士」の講座にいっ

て、「指導」と「支援」の違いをはっきり学びました。講義するのでなく相手の話をきい

てコミュニケーションなのでした。ドッチボールでなく、キャッチボールなのでした。

TVで「保健師さんに叱られるのが嫌で検診に行かない」というお母さんの言葉に、ハッ

としました。それぞれの日常をうかがい、思いをお聴きして、「みんな大変よね」と

理解・共有できたらいいのですね。スマップの歌にあるように、一人一人違っていいと

言いながら、みんなと同じ!がいいと言う社会。お母さま方が悩まれるのも当然です。

お子さんを社会全体で見守るというのは口で言うのは簡単ですが、このようなお母さま

の声をきくと、まだまだなのかもしれません。一番さみしいのは「孤独」ということだと

以前患者さんに伺ったことがあります。子育て中のお母さまが大変な中にもおもいを共有

できる仲間がいる・遠慮なく言える、それぞれでいいんですよと安心して子育てできる社

会にしたいですね。私達が小さい頃は隣近所のいろんな世代の方のかかわりの中で、随分

いいおせっかいして頂き、今では感謝することばかりです。他人とのかかわりの中であり

がとうを交換できるご近所付き合いもいいですね。保健師さんもきっとお役に立ちたいと

思って皆さん頑張ってらっしゃいます。

このTV見て一方的・事務的ではいけないとつくづく感じました。子育て中のお母さまの

心の叫び聞けて、よい勉強になりました。