完璧すぎるとつまらない

NHK・Eテレの「ピタゴラスイッチ」が20周年を迎えたそうです。「だんご3兄弟」で知られたクリエーターの佐藤雅彦さんが慶応大学教授だった当時、研究室のメンバーと作ったアニメーションなどが源流です。

一つは先ずは全体を貫く規格を立て、その設計に合わせてつくっていくパターン。もう一つは、様々なものを手で動かしながら、本来と違う使い方の、面白い動きを発見し、それをつなげて装置にするパターンだそうです。

前者の場合、設計の段階で、物理の基本は踏まえておいて、具体的な距離は試しながら決めていくそうです。平均して、30テイクぐらいは撮り直すとか。精度よく作りこむとつまらくなるからと。10年ほど前に、みんなが装置作りを「うまくなり過ぎた」時期があり面白くなかった・・反省のようです。

重たい球を速く動かすと成功率は高まるが、軽い球がふらつきながらも無事ゴールするからこそ、グッとくるんですよね。だから最初から完璧を狙いすぎずにやってます・・と。

ピタゴラスイッチをつくる上で大事にしてる価値観は、世の中や、普通の生活の中に潜んでいる様々な「考え方」を伝えることを目指しているんだそうです。何かが「わかった!」と言う瞬間に私たちが感じる気持ちよさや充実感を、子ども達にも映像通して感じて欲しいと言っておられます。

商品化の誘いもあるが、「家にあるもので作るのが面白いと思うんです」を理由にお断りしてるとか、例えば本を立てると、それだけで球が転がるレールになります。視点を変えて、本に新しい役割を再発見する。予想と現実は違う。それに気がついて想像力の解像度を上げていくのがおもしろいんです。

そうおっしゃる番組作りに携わる方の意図に、今日もぴったしハマって!「ああじゃない、こうじゃない・・、じゃ~んけんぽん!パーだ、ヤッタァ!」といつもハラハラドキドキの我が家です。短い時間ですがいい歳の大人も夢中!
ずっと続けて欲しい番組です。