ドベルジンヌ

キャビア・ドベルジンヌ
正式にはこう言うのだろうか?久しぶり、というよりいきなりネットで見て懐かしくてびっくり!

若い頃勉強しないで、サボってばかりの私の関心事はお料理だった。あちこちの料理教室に首突っ込んでかなりおいしい思いをしながらそれぞれの技術に卒倒した、夜間の製菓学校にも行ったっけ・・

一番気に入ったのは、マダム・バラッツの「フランスの家庭料理」だった。今までお習いしたことを一度脇に置いて、家庭で普通に、毎日のこととしてつくるフランスの家庭料理で、びっくりするほど美味しかった!計量スプーンやカップで計ることもせず、それこそ「ええ加減」でどれもこれも普通に、普段気軽に作れるフランスの家庭の、美味しいものばかりだった

バラッツさんが帰国され、その通訳を担って下さっていた三村先生が、引き継ぎご自宅でお稽古を続けて下さりラッキーだった。その時の一つがこの「キャビア・ドベルジンヌ」別名フランスでは「貧乏人のキャビア」(今だったらこのような言い方はしないでしょうが、時代でもありそのままの言葉で書きます)って言うのよと和やかな雰囲気の中教わった、何故って、キャビアなどこれっぽっちも入ってなくて全部茄子だから。でも飛び切り美味しいキャビア・ドベルジンヌ!
焼きナスに馴染んでいる日本人にはとて合うと思うし、何よりフランスパンにのっけて食べたら美味しすぎて止まらない・・!

久しぶりネットで「ドベルジンヌ」とアップされてるのをみて、その当時ご一緒したお仲間のお顔まで思い出すことができた。もの知らない私とご一緒くださった方々は、皆さん素敵なマダムばかり。意気盛んなだけで本当に何も知らない私に、お料理以外のいろんなことを教えて下さったすばらしい先輩方々だった。あんなふうに歳を重ねたいなぁと思う方ばかり、お習いしたお料理と共に、おしゃべりがてら教えて下さった数々は宝物のように覚えている。場に合ったお作法やお行儀、その頃世に出たイッセイのプリーツプリーツの話。ブローチはその位置でなく、もっとこういう位置につけた方が尚ステキよ・・。結婚式の招待状のご返礼はがきの書き方等々、多岐にわたりたくさんたくさん教えて頂き、今本当に有難く思うことばかり、感謝してもしきれない・・本当に

食べ物って、お料理って、時空を超えてその時に戻れるから不思議。人生の折々に必ず食べ物があって、ご一緒に頂戴したこと、親しくして下さった方々がいてなんと幸せなことだろうと思う

急に寒くなり秋めいたこの頃・・あちこちの柿の実が色づき始め、つやつやの栗もお店に並んでいる
そろそろカリンや、ジャムにしたい果物登場の季節、食べ物は人と共に思い出すから不思議です