唐津の焼き物

磁器上絵付の仕事をしていましたが、日本の焼き物(土もの)も大好きな私。歳と共にその傾向が強まった気がします。磁器のような石ものもステキですが、土ものはなんといっても作り手の思いと、窯に入ってからの炎の芸術。はかりしれぬ窯変の妙です。たまたま通りがかりに「唐津」の展示会があり、時間も迫っていましたが、吸い寄せられるように会場に入りました。14代中里太郎衛門さんのびっくりするようなエメラルドブルーの鶴首の花入れには、「これが唐津!?」と腰抜かしましたが、何とも暖かい作風とその深いブルーに見入り、その場を離れられませんでした。衝撃でした。他にも楽茶碗の黒に、赤い緋の色がスーッと入っていたり、何とも造形の美の極みといった感じでした。そのようなモダンな作品の中に、美しい古唐津そのものの茶碗もあって、和ランのすーっと流れるような絵柄に、唐津本来の美しさも堪能させて頂きました。水指のとも蓋もそれぞれに美しく、黒の茶入れの口に溶けるように流れる白の美しさ、そのお仕覆の見事さ。一度会場を出ても、もう一度戻って何度も拝見してしまった14代中里太郎衛門さんの作品でした。新しい挑戦も伝統を大切になさって、あくまでもスタイル崩さずに、美しいものを作ろうとなさる並々ならぬお気持ちがうかがえる、よい展示会に巡り合って幸せなことでした。