千葉スペシャル

あちこちのテレビで紹介されたようですが、私初めて知って驚きました。だって洒落たスーツに蝶ネクタイ。帽子かぶって靴磨きしてるのですから。しかも行列できて。皆さん座って待ってるイスがまた何ともステキな皮の椅子。こちらで靴を磨いていただくと、あまりのみちがえる美しさに自分の靴じゃないみたいとおっしゃる方続出のようです。

この店主? 千葉尊さん。 いっとき10年ホームレスしてましたといって憚らないこの方。四人兄弟の三番目、材木店のお父さんを20代まで手伝っていたそう。上京して不忍池でお金なくなって寝てたところ、大学も出ておらずなんにもない自分に、靴磨きの人が声かけてきた!生まれ故郷で氷で靴を水拭き?してたことを思い出し、粒子の大きい氷が役に立って最高だったとことを思い出し、又材木屋の父を手伝っていて鉋の刃を研ぐ時の、刃の角度で靴磨きにひらめくことが多々あったそうです。そこで「靴磨きの常識を変えてやる」とばかりに特製靴クリームを開発し、弟子も出来たのに2012・4月路上での営業停止をくらい、追い出されて終わり!

その後「千葉スペシャルどこに行ったの?」の沢山の問い合わせに、有楽町のファンの多さにびっくりした東京交通会館や、大手の乃村工藝社会長(千葉スペシャルの常連)が ”ああいう技術は伝承しないといけない”と豪華な皮張りのイスと道具箱を提供されて復活の舞台が出来上がったそうです。 たくさんの人が見ていてくれたこと。千葉さんの「腕」と「心意気」に魅了された人がたくさんいたこと。このことに千葉さんは感謝して後輩を育てているようです。 その際、「現状では無理だよな!」とほざく同僚後輩に「無理無理言ってんじゃないよ」と檄飛ばし、「会社を大きくしたいんじゃない。職人魂を持つ人を育てたいだけだよ」とおっしゃる髭の千葉さん。「ようやく見つけた生き甲斐だから・・」と添える一言にご苦労と重みを感じるだけでなく、ちゃんと生きていれば人は見てるんだなと、つくづく思った次第です。

今度冬じまいのブーツ持って有楽町の千葉スペシャルに並んでみよう。「もっとちゃんと手入れしなさいよ」と叱られるかもしれないけれど・・と思ったのでした。靴がピッカピカになると同時に、心意気もいただくんですね。がんばれ、千葉さん。