90歳を超えるほどの年齢になると、それまでのように心身の若さを保つのは難しくなる、でもそんな人達の間で以前とは違う「幸せ感」を抱くようになる人が少なくないことがわかってきたそうです。

100歳以上の長生きの人たちの特徴を調べている慶応大・百寿研究センターの広瀬教授によると、長生きの秘訣を聞くと「笑っていること。怒ることなどほとんどない」と。高齢になっても心身の若さを維持しようと努めるが、超高齢になるといつか限界も来るのだが、約2200人の70・80・90歳の方の調査から、年齢高いほど運動機能や認知機能低くとも
「老年的超越」という指標で示される幸せな感覚の度合いが、高齢の人ほど高い傾向があったそうです。

「老年的超越」とは、高齢期に高まるとされる「物質主義的、合理的な世界観から宇宙的、超越的世界観への変化」のことで、スウエーデンの社会学者が唱え、自分が宇宙という大きな存在につながっていることを意識し、死の恐怖が薄らいだり、他者を重んじる気持ちが高まったりする状態を言うようです。

なので、超高齢の方は、一人でいてもさほど孤独を感じず。できることが減っても悔やまないようになり、周囲への感謝の気持ちが高まりやすいというのです。「成功」や「達成感」を重視する若いころとは異なる穏やかな幸福感のようで、「ベッドに寝たきりでも、昔を回想するだけでも楽しいという人もおり、健康を失ってしまっても、幸せでいることはできるんです・・」と。

又100歳以上の長生きをする人は、好奇心が旺盛、社交的、几帳面と言う特徴があるものの、老年的超越に直接結びつかなくても、長寿を遂げることを通して幸せ感につながっている可能性も指摘されています。

逆に明確ではないものの、「いつまでも自立していなければと思いがちな方は、老年的超越は得られにくいようだ・・」とも。しかしこの分野の研究はまだ十分でなく、老年的超越という状態あることを知ることが大切とあります。

この事を踏まえて介護の対応改善に、この心境を学ぶことも必要だということです。
皆さんと伍して集まって何かをやらない方も、孤独のように見えても、本人は穏やかで豊かな気持ちでいるかもしれない・・と別の見方が必要になってきます。このように別の見方をする取り組みをし始めて、本人のうつ気分が改善されたという報告も出始めているようです。
超高齢者が持つ特有の幸せ感を踏まえて、支える側が、「新しい視点を持つことも必要」なのかもしれませんね。
これからの長寿社会に新しいヒント頂きました。