樫本大進さんのコンチェルト

回復期にある父の顔・ほっとした母を見て帰ると、テレビが音楽の時間でした。そういえ

ば父が倒れてからゆっくり音楽を聴いていないな?とつけると樫本大進。以前にもコンク

ール入賞以来の大進さんの歴史を(お若いけど)ブログに書きましたが、久しぶりに見る

舞台上の彼は一回りも二回りも堂々となさってすばらしい存在感でした。こちらも注目の

若手指揮者・山田和樹さん。ベルリンフィル・コンサートマスターの大進と息もぴったりの

スイスロマンド交響楽団と大のりのチャイコフスキーでした。宇宙の先まで届きそうな

透明な高音。オケのメンバーも目を閉じて聴き入ってしまうソロ。オケ全員がブラボー送

った2楽章。名器を慈しみつつ流れるような、又力強い豊かな音色。老親を訪ねて

ソファに座り込んだ私を、包み込んでしまう豊かな音でした。チャイコフスキーの2長調

作品35。聴けばどなたもハミングなさるフレーズの名曲ですが、オケとソロがこんなに

称え合い・響き合い・楽しんで音を奏でられるのも、大進がコンサートマスターの経験踏ま

えたからこそと感じ入りました。アンコールはこのところよく演奏するバッハの無伴奏

「ラルゴ」。彼らしいと思いました。

デビュ―から気にしている若い才能のあるアーティストが、こんな風に活躍なさると

本当にうれしくなります。大仰なしぐさやパフォーマンスはなくとも、彼らしい音が

じわーっと伝わって、ますます応援したくなります。日本人らしからぬ?スマートな舞

上の佇まいもお若いのに魅力的です。乾ききった体に染みわたるように音楽が入ってきま

した。元気になりました。