生活不活発病 (お大事に症候群)

件名を書きながら、どちらのネーミングも失礼な言葉だなぁ・・と思いながら、少しでも事実が伝わり、病気になられたり、悪化する方が増えなければ・・の思いで書かせて頂きます。

このことは、東北大地震の時もご案内させていただきました。
今、熊本で信じられない大きな地震が続き、さらに1000回という地震の回数聞くに、その非情な地震の事実と、被災地の大変さを思いますと、お辛いでしょうから、ゆっくりしてください・・と申しあげたくなります。

ですが、このことが病気の誘因となり、ならなくてもいい病態を引き起こすのです。それは身体に限らず、心にも影響します。

家を離れ他人と一緒の不自由な避難所暮らし。家に居られてもすさまじい状況に何をする気にもならず、ただ悶々としてらっしゃる状況・・。自分もその状況になったらそうだと思います。
ですけれど、「動かないでいると、動けなくなるのです」

20年くらい前でしょうか?
日本医大・癒しの環境研究会(高柳和江先生)で活動中、九州の病院の老健施設でしたか?既にこのこと(生活不活発病)に注目して、老健の入居者にも、「やれることはやって頂こう」という趣旨で、病院内に”畑”をつくって、参加いただいたり、室内にも車いすで出来る ”園芸”を提案したりで、施設にこもっているお年寄りが、出来ることをやるようになって、食事も進み、排便も整い、夜眠れるようになり、血圧のお薬などが減った!という報告がありました。その当時画期的なことで、参加されていた他の先生方も、その大胆な取り組みに拍手送るとともに、びっくりされたことを思い出します。

昨年も八王子のある病院で、同じように畑を設けて入院患者さん・入居者さん参加型を
実践のお話し伺い、心強く思った次第です。実行には人手もお金も要りますが、結果的に患者さんの具合がメンタル含めて良くなるのですから、積極的に医療者は「お声かけすべき」と思います。

お辛い状況に居る方に 「あれやれ。これやれ・・」言うのでなく、さりげなく促してお外に散歩に連れ出すもよし、小さなことでもお誘いして気分転換かねて、”身体も心も固まらなように” して差し上げるべきと思います。

「お大事に」「おだいじに」ばかり言っていると、つい昨日まで畑やっていた方も全く動けなくなり、歩くことすら出来なくなります。身体の自由が利かなくなると「もう!いい」となって、うちにこもってますます動けなくなります。

動かないので動けなくなる(お身体も心も)

お辛い時にハッパかけるのは残酷だと思わず、さりげないことからお声掛けして、地震が
終着した時には元の暮らしに戻れますように。せっかくの命を再び楽しんでお過ごしになられますようにぜひ・・と思います。

その意味で、被災者のお子さんや学生さんが、避難所の諸々に参加し始められたというニュースは、それを見て、お年寄りも少し心和んで、お動きになるようになれればいいな・・と祈っています。地震で亡くなった方には心からお悔やみ申し上げます。ご無事だった方が、その後の窮状で不幸な事例に至らぬことを心から願います。

 

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