期待と重圧

一日にあった、東京オリンピック陸上女子砲丸投げ決勝。銀メダルを獲得したレーベン・ソーンダーズ(米)さん。すごく嬉しいと満面の笑みでした。パワフルなだけでなく、コミック柄のマスクも話題を呼んだようです。LGBTQと公表しています。

決勝でつけたマスクについて、新型コロナから守る以外にも理由があったと新聞で読みました。それによると、
砲丸投げは、投てきの順番まで待ち時間が長く、他の選手と談笑するケースがよくあるそうで、競技中は集中力を高めたいので、気軽に話しかけられないよう、不気味で怖いマスクをつけてたそうです。選手の方々は、見えないところで本当に大変なんですね。

もうひとつは精神面のコントロールにあると。
2016年リオ五輪で5位に入り、地元は快挙に沸いたそうですが、しかしやがて、期待は重圧に代わり、うつ症状に悩まされた。17年にはそれも限界に達し、ある日、車に乗り込むとそのまま自暴自棄の危険な気持ちに陥ったそうです。落ち着いた現在でも精神科での治療を受けている・・と記事にはありました。
競技中にマスクを着けることで、気持ちの切り替えがうまく出来、「今は別人格になれるというか、気持ちのコントロールが出来ている」と話しています。

コロナ禍で必須のマスクですが、競技に専念する選手にこのような心の状態があるとは、想像以上でした。

レーベン・ソンダーズさんは、「LGBTQやアフリカ系米国人、世界の黒人社会・・自分はたくさんのコミュニティーに関わっている。世界には声を挙げたくとも上げられない人も大勢いる・・」とも言っています。

華々しいオリンピックの選手、厳しい練習と想像を超える努力の中で、その身体能力向上だけでなく様々な葛藤の中で、トップを目指すそのプロセスには計り知れないものがある・・と、今さらながら気づかされる今日この頃です。

勝っても負けても、その日までの積み重ねの日々、そしてこれからのご活躍に拍手を送りたいと思います。皆さんどなたも超人です。