三宅一生 デザインのココチ

デパートなどであちこち見かけるようになった一生さんの作品。

なかなか時間の取れない私は、青山近辺に行ったときにあちらのアトリエは必ず覗くようにしています。時間ないなぁと思っても寄ると、「やっぱり無理してでも寄ってよかった!」と何らかの刺激受け、「わ~ステキ、どうしたらこんな風になるんだろう~」と感動して帰るからです。それほどいつも「エッ!」があります。

ずいぶん昔、飾られた一枚の布は「自分でハサミでカットして着てください」でした。面食らう私にお店の方が丁寧に説明下さり、その思いも布に
のせて、着る自分も参加して作品が存在していると思ったことでした。

今回テレビで見る作品は、やはり平面に飾られているものの、襟元を持ち上げるとなんと立方体のタワーのようになり、着るとなんともエレガントなワンピース。色もダークグリーン・濃いブルー・黒と複雑かつ夜空のような、いえ深い森のようなすばらしい陰影ある色で、大変美しいものでした。このデザインは理工学部卒業の方がデザインしたようです。一生さんは
発想が抜きんでてすばらしいと褒めてらっしゃいました。

何度も作り直されている他のデザイナーさんには、容赦なくダメ出し。しかしながらその方がきっと次のアイディアだすと期待されてのダメ出しです。
愛溢れる方だなぁと画面から一生さんのお人柄が見て取れ「ました。

その一生さん、もともとハンサムでらっしゃいますが、なおステキなシルバー世代になられ、無彩色のご自分の作品召されて黒子に徹し、そのストイックさがなんとも素敵でした。かといって、カリカリの几帳面な様子ではなく、若者を育てたい気持ちにあふれ、おっしゃることいちいちごもっとも!!と思いました。

「生まれたての赤ちゃんが最初に包まれるのは一枚の布でしょ。
売れるだけの服は面白くないよ。アイデンティティの出る服。活躍する女性を解放する服をね作りたいの・・」と。

番組最後におっしゃったこと。
「服って食べ物と同じですよ。食べ物は体を作り、服は気持ちをつくる。
だけどたかが服。楽しく・楽に‥そんな服を僕は作りたいの」

若いデザイナーへの指示も簡潔明瞭。言葉は簡潔でもあたたかい。
気持ちいいくらいキッパリの一生さん。

プリーツプリーツを世に出し、服飾界にセンセーションを起こした一生さんは、ごくごく当たり前のことをきちんとおっしゃる、すてきな日本人でした。変な言い方ですがお話聞いててとっても素敵だなぁと、ますますイッセイ・ミヤケのウインドウショッピングは欠かせない!と思ったことでした。
いい番組に出会いました。