おかげ様で余命が延びました

先ほど上顎義歯出来上がった患者さん。お帰りの際の言葉です。

16年ほど前、現役でお仕事されてる時が初診。それ以来お忙しい時も、バイクで駆けつけ
メンテナンス続けてきた方です。初診で既に詰め物沢山でしたが、その後上は部分入れ歯にしました。お手入れもきちんとなさり、頑張ってらっしゃるなぁと思った矢先、ガンの発病。確定診断つくまでが長かったので、げっそり痩せ気持ちも落ち込んで、こちらも途方に暮れそうでした。

病名がはっきりし手術に臨むことになり、「終わったらメンテナンスにきますよ!」と仰ったものの、体力も落ち歩行もおぼつかずでお気の毒でした。そんな中「口の中が気持ち悪いけれど、いきたくても歩けない」とご本人からの電話もあり、”お家で出来るお手入れなど話し、待ってますよ!”とお葉書差し上げました。途中奥様がお手入れ用品を買いに見え、ご家族の連携が素晴らしかったです。

しばらく間を置いて「行ってもいいですか?口の中さっぱりさせたい」と再びご本人からお電話頂いた時、それは嬉しかったです。その日衛生士の、体調と病気に配慮したケア受け「アーさっぱりした」とお痩せになったお身体でしたが、ファイトが出てきてらっしゃるようにお見受けしました。抗ガン治療受け乍ら、無理ないケアを再開なさり、「しっかり食べたい」という意欲も出てきて、部分入れ歯を作り直すことになって、今日出来上がりました。

アシストしたスタッフに「今日は天ぷら食べるんだ」とおっしゃって、こちらを労って下さったとのこと。お帰り際「寿命?いや余命?」と笑いながら訂正なさって「余命が延びました!」と喜んでお帰りになりました。慣れるまで新しい義歯は大変かと思いますが、いつでも調整いたしますよ・・と申しあげたら、ニコッとなさいました。多少でもお役に立てたかと、スタッフ一同嬉しい一日となりました。美味しく召し上がれますように総力上げてサポ―トさせて頂きたいと思います。これから食欲の秋ですものね。