「どちらであっても」医師・徳永進さんの言葉

 

言い切れる正しさなんて、臨床にはないのではないか
                     徳永進

折々の言葉 鷲田清一さんの849号より

人工呼吸器の装着・胃瘻栄養・鎮静剤の使用などの是非に、一つの答えはありえない。一人一人にそれぞれ事情があり、また感謝と訴訟がいつ入れ替わるやもしれない臨床の現場では、言葉は煮え切らずによどむばかり。その煮え切らなさを人生や社会を見つめなおす作法へと裏返ししたらと、鳥取の「野の花診療所」でホスピスケアに取り組む医師は言う。著書「どちらであっても」から。

言い切れる正しさなんて、臨床にはないのではないか・・・。