「こわいをしって、へいわがわかった」

びじゅつかんへお出かけ
おじいちゃんや
おばあちゃんも
いっしょに
みんなでお出かけ
うれしいな

こわくてかなしい絵だった
たくさんの人がしんでいた
小さな赤ちゃんや、おかあさん

風ぐるまや
チョウチョの絵もあったけど
とてもかなしい絵だった

おかあさんが、
七十七年前の沖縄の絵だと言った
ほんとうにあったことなのだ

たくさんの人たちがしんでいて
ガイコツもあった
わたしとおなじ年のこどもが
かなしそうに見ている

こわいよ
かなしいよ
かわいそうだよ
せんそうのはんたいはなに?
へいわ?
へいわってなに?

きゅうにこわくなって
おかあさんにくっついた
あたたかくてほっとした
これがへいわなのかな

おねえちゃんとけんかした
おかあさんは、二人の話を聞いてくれた
そして仲なおり
これがへいわなのかな

せんそうがこわいから
へいわをつかみたい
ずっとぽけっとにいれてもっておく
ぜったいおとさないように
なくさないように
わすれないように
こわいをしって、へいわがわかった

沖縄戦没者追悼式で、沖縄私立山内小学校2年徳本穂菜さん(7)が朗読しました。宜野湾市の佐喜真美美術館を家族と訪れ、丸木位里、俊夫妻が1984年に制作した「沖縄戦の図」を見た時の思いを詩にしたそうです。
周りからこの詩に「ここはこうした方がいい・・」「こう直した方がいい」と言う助言があっても断って、本人が書いたままだそうです。
同居するおじいちゃんが、戦争に関わりある場所や集まりに、小さい時から穂菜さんを必ず連れて行っていましたと、鶴瓶の番組のインタビューで知りました。