歯科でなく、歯科医療です

昨日休診日、今年は2度目の中山先生「院内実習セミナー」でした。これで通算6回目になります。アメリカで歯周病専門医としてご活躍の先生には来日の度ご指導いただいていますが、教えていただくことは多岐にわたり、それは「キュレットワーク」だけではありません。

どのように患者さんと接するか?
どうお話しするか?
どう患者さんから聞き出すか?引き出すか?
患者さんはどうしたら思うようなホームケアがお出来になるか?
どうお伝えするか?伝えたことが伝わったかどうか、どう確認するか?
言いにくいことはどう伝えるか?  などなど・・・。

また処置中の患者さんの微細な変化や、体の動きをよく観察なさって、お声掛けなさる
そのグッドタイミングは神業です。患者さん役を経験しますと、心配りしながらの処置は
患者さんを不安から安心へと誘います。

おっしゃり方が”はっきりと、しかもさりげないなー”といつも感じます。
アメリカだって、言ってもわからない方はいますよ。でも訴訟社会ですし、充分説明しないのは「医療過誤」ですから言い方や説明の仕方も工夫します・・とのことでした。
のんでいるお薬はもちろん、そのお薬によってとってはいけない食材・栄養の知識、歯科治療上配慮すべきことなど。また歯科治療を進める上で必要な情報は他科の先生と必ず連絡とって診療進めますとのことでした。すべからく「歯科」でなく「歯科医療」ですからとはっきりおっしゃいました。
前にもお伝えしましたが、医科の先生から「この患者さんの歯周病の程度はどのくらいですか?」とお尋ねがあったり、逆に歯周病専門医の中山先生からは、「この方の骨密度はどのくらいですか?」と整形外科の先生にお問い合わせなさったりしながら診療を進めるとのこと、このような医科と歯科の連携が当たり前とおっしゃられ、患者さんにとっても有難いことですし、日本も将来こうなっていく!と確信しました。ですので私達歯科医療従事者も、古い知識だけでなく学校で習ったことだけでなく、生活の中からの知識や知恵、関連周辺医療の新しい知識を学ぶなど、めんどくさいといわずに、「自分や自分の家族が患者さんだったらどうして欲しいか?何を望むか?」を問えば、医療機関としてどうしていくべきか見えてきます。中山先生にお目にかかるたび、SRPのスキルだけでなく、予知性のある診療、今後の歯科医療のあるべき姿をひしひしと感じる思いでした。スケーラーや器具で満たされた大きなキャリーバッグとデイバッグを背中に、お帰りになる中山先生のご健康を願い、引き続きご指導を仰ぎたく感謝を込めてお見送りしました。衛生士のスキルアップはこれでいいということはなく、ドクターの理解の元、スケーラーの刃先を常に研いでおくと同じように、スキルも常にシャープニングしておかないと・・とつくづく思い知らされました。中学で習った「ing」です。次回の研修が楽しみです。

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