患者が望む理想の医者(中学一年山田倫太郎君のことば)

重い心臓病を患う長野県の山田倫太郎君が、「医者になってお兄ちゃんを治す」と言い始めた4歳の弟宛に、自分の体験をもとにつづったものだそうです。医療現場にいるものとしても大変心動かされましたので、新聞から抜き出してみます。

倫太郎君の「理想の医者」8か条

①患者さんの家族、趣味など患者さんの生活全体を見て接しよう。

②患者さんは、誰もが自分の受ける治療や検査などに、不安を抱えている。しっかりわかりやすく説明してあげよう。

③患者さんは、いつ苦しみだすか分からない。大事なのは、その時に、君が患者さんの為にとっさに体が動かせるかだ。

④入院している患者さんにも、自分の生活がある。検査や治療は出来る限り患者さんの生活に合わせてやるべきだ。

⑤入院している患者さんにとって、ベッドは我が家のようなものだ。採血や問診に行くときは、人の家に行くような感じで行こう。

⑥患者や、患者の家族は、手術や検査の結果を心待ちにしている。終わったらすぐに知らせてあげよう。

⑦患者さんとの関係は、治療が終わればおしまいという訳ではない。

⑧医師はどんな状況でも諦めてはならない。思わぬ治療法があるかもしれないし、悪い状態は一時的なものかもしれないからだ。医師が絶望と思っても、患者さんや家族にとっては違うかもしれない。

これを読んだ長野県立こども病院の循環器小児科部長・瀧聞浄宏さんは「医者のことをよく見ている。ハッとさせられた」と。長年の倫太郎君の主治医は「彼の文章には生きることへの感謝と真摯な姿勢にあふれている。かみしめて読んでほしい」とコメントしています。

今年初め、弟の恵次郎君が人体図鑑を眺めて「お兄ちゃんを治したい」と言い始めた。それを聞いた倫太郎君は7月、弟を励まそうと、倫太郎君が思う理想の医者像をパソコンで一気に書き上げたということです。13歳でも生死の境を乗り越えて来た倫太郎君、今は午前中だけ普通学級で学び、文化祭の弁論大会で「命の尊さ」について語ったそうです。読んで一つ一つの項目が心に沁みました。私達も心して患者さんに接していきたいと思います。倫太郎君教えて下さってどうもありがとう。

 

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