私はこれでしばらく生きられる

この投稿は3月20日過ぎ目に留まったもので、高額療養費の自己負担上限額引き上げが見送られることになった頃の投稿でした、投稿なさったのは大橋洋平さん・医師(三重県 61歳)ご自身が緩和ケア医でらっしゃいます

医療費の患者負担を抑える「高額療養費制度」で、今年8月からの自己負担上限額引き上げが見送られることになった。
上限額の引き上げに反対して下さった関係者の皆様には、ただただ頭が下がる。私は、本制度のお陰で再び命をもらったひとりだ。
2018年6月に胃の消化管間質腫瘍でほぼ胃全摘手術を受け、10か月後に肝臓に転移。今抗ガン剤治療中で、高額療養費の真っ最中だ。多数回該当にも入る。治療のかいあり生きてこられた。ありがたい。

体がしんどい時もある。抗がん剤の副作用や胃手術後遺症などからだ。そんな折は心の持ちようでなんとかしのいできた。他者との出会いから元気をいただく。もし本制度の自己負担額が増えれば衣食住は当然、行動に関わる出費も制限される。
出会いなど無くすしかないのかと諦めていたところだった。ただ、これからの道筋は不透明で手放しでは喜べない。しかし来年の命は保証されていない治療中の身、今この時が満足できれば私は十分だ。いずれ自己負担額が引き上げられるとしても、しばらくの猶予を与えられた。これで私はしばらく生きられる。