ちがうことこそ、ええこっちゃ

最近、公共交通機関で車いすの方が、電車にスムーズに乗られる様子を、皆さんご覧になっていませんか?お乗りになると、何やらスマホを操作され、降りる駅に着くと、駅の方がその方の扉にすっと降車板のようなものを差し出し、車いすがスムーズに下りて行かれます。すばらしいサービスだなァと、いつも感心して見ておりました。

半世紀の間、様々な障害者運動に携わってきた、車いすの男性の方の記事を読みました。当初地下鉄側も後ろ向きだったが、署名・募金活動しながら議員やマスコミ等様々な方が加わり、運動が広がっていったそうです。

この方は小中学校で講演活動もし、ある小学校では、体育館で待つ子供の前に松葉づえで登場した途端、「おっちゃん、どないしたん?」「足悪いん?」「トイレどうするん?」と質問の嵐。子供の反応が面白くて必死に受け答えしたそうです。松葉づえは魔法の杖。年齢差の垣根も吹っ飛ばしてくれると。今まで約30万人ほどの子供達に話をしてきたそうで、障害者を理解してもらうというより、子どものうちに「障害者」と言う固定観念をいかに振り払ってくれるかが大きなテーマだと仰っておられます。

又、障害者も「自立」と言うことを考えておられるそうで、日本では、幼い頃から一人で何でも出来るようにと自立を促される、社会の中で「速く」「がんばれ」「信用できるのは自分だけ」と。これでは「孤立」なんですと。この方の様に他者の力を借りながら、自分の生活を創り出すのが本当の自立ではないか。人間関係を増やすほど自立度は高くなると。

障害を持つ子と持たない子がともに学び、共に遊ぶ教育も、活動始められた半世紀前からあまり進んでいません。一緒に遊べば人生は豊かに広がるはずですと仰っています。「違うことこそ。ええこっちゃ」ですと、
今は電動車椅子のNPO代表理事さんでいる方は、バリアフリーは進んだが、社会の障害者観はあまり変わっていないと感じているそうです。

「共に育てば豊かな人生」 進んでいくといいですね。