折々の言葉 3501

いつまでも‥終わってほしくないほどのものが、幸福な生なのに、
終わるからこそ幸福であるというパラドックス        古東哲明

面白い映画も、果てなく続けば「退屈どころか、不気味」だ。マラソンもゴールがあるから苦役にならない。同じように、ずっと続いてほしい幸福な人生もエンドマークがあるから愉しめるのだと、哲学者は言う。眼の前の光景も「死」という終わりのほうから見つめると、「とたんにやさしい光をおびて」くると。    “思考の平均律”から。