口腔外科

親知らずの抜歯のリスクは?

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親知らずの抜歯は普通の歯より少し手間がかかることが多いため普通の歯の抜歯に比べ次のような理由からややリスクは高いのが一般的です。

位置的問題

親知らずは口の奥の部分にあるため、器具が到達できなければ抜歯できません。手前の歯、頬の粘膜、骨などが邪魔になって、他の歯の処置に比べ麻酔も抜歯も難易度が高い処置といえます。

視覚的要素

抜歯が必要になる親知らずは、顎の骨に歯が埋もれていることも多く、歯茎を切開したり骨や歯を削ったりが必要になることもあります。目で直接見えない分、経験がものを言います。

歯の形態

親知らずは、普通の歯より退化傾向にあるため、抜歯しにくい複雑な形をしている場合があり、歯の凸凹が骨に引っかかって処置しにくいことも多いのです。

ただし普通の歯と同じように,埋まることなくまっすぐ生えている場合には、わけなく抜歯できます。

良くある親知らず抜歯後のトラブル

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出血・腫れ・痛みなど親知らずの抜歯後に良くあるトラブルは次のようなものです。

出血が続く

当日抜歯後に時々見られる口の中の出血は唾液で薄まり、実際の出血以上にどんどん出てくるように勘違いされます。落ち着いて口の中を見て頂き、血液だけがドクドク出ているのか?唾液の中に糸のように血液が見えるのか?によって対応が異なります。血液だけがドクドク湧くように出ている場合は、ガーゼなどを噛んで、医療機関に連絡、受診下さい。そうでなく、唾液に混じる程度の血液であれば、静かにしていれば止まります。うがいを我慢し、傷口に何もせず(綿をかんだり、ガーゼ噛んだりせず)様子を見れば止血します。ただし血液サラサラになる薬などを常用の方・血圧高い方などは抜歯当日は、出歩いたりせず、養生ください。

腫れる

親知らずは歯自体が大きいので、抜歯後の穴も大きく、粘膜を縫い合わせて傷口を塞ぐ必要があることが多いです。その為内部の圧力が高まるなどして腫れることがあります。これには個人差があって全く腫れないこともあります。1~2週間程度かけて少しずつ落ち着くのが一般的ですが、ご心配なことあれば処置した医療機関と綿密に相談下さい。

口が開かない

歯茎や頬の粘膜部分が腫れることがあり、腫れがあごの関節の動きを妨げたりするため、だんだんあごが開きにくくなることがあります。大変でしょうが、術後止血していれば、お口を軽く動かしておくとよいようです。いずれにしても症状が強ければ処置した医療機関にご相談ください。腫れの消失とともに次第に開くようになります。

術後の痛み

通常でも抜歯後2~3日は痛みが出ることがあります。出された薬などを服用しても強い痛みが続くような場合は、ご相談ください。また処方された薬と相性の悪い場合があるので、自分でやたらな薬は飲まず、お問い合わせください。

軽く冷やすと楽ですが、氷・アイスノンをじかに当てると、その時は良くても後でブンと腫れたりするので、急激に冷やさずほどほどが肝心です。

縫合した糸が取れる

抜いた後に傷口を縫合した場合、通常1週間待って抜歯しますが、1~2日目で縫った歯茎の部分が腫れて糸が取れてしまうこともあります。それぞれですがこのような場合、縫い直さず様子を見ることがほとんどです。

ドライソケット

抜いた後、穴の内部の骨が、かさぶたの役割をする血の固まりで十分に覆われない状態が続くと、痛みも長く続くことがあります。下の親知らずの抜歯後、2~4%程度の人に起こるといわれている状態です。軟膏状の薬で保護したり、それぞれに応じた処置をしたりして、治癒に2~4週程度かかります。

傷口を綺麗にしておこうと、頻繁にうがいをしたり、抜歯後の穴の内部を洗い流そうとすることは治癒を遅らせる恐れがあるので逆効果です。

周囲が麻痺する

ごくまれに下の親知らずの抜歯の際に骨の内部の神経に傷が入ることがあり、舌や顎が片側だけ麻痺することがあります。はじめから親知らずの根が湾曲し、神経を巻き込むように生えている状況での処置で起こることが多く、回復まで数日から数年かかることもあります。

抜歯後は感染と消炎の薬などが処方されるのが一般的です。抜歯すると周囲の細菌が傷口から体に入り込み、血管を伝わって全身に流れていく可能性があります。ですので抗生物質などは痛みが落ち着いても途中で止めることなく,処方通りにきちんと服用しましょう。