AYA世代のがん

10代後半から30代をAYA世代と呼んでいます。
この世代に年間2万人のがん患者さんが・・と聞いてびっくりしています。

いま日本では、がんは二人に一人と言われていますが、こんなに低年齢化してたんですね。まだまだ学校や就職したてだったり、丁度仕事も調子が上がったころだったりで
ご本人は大変でしょう。親御さんや取り巻く人も面食らってしまうでしょう。私も医療機関で仕事してるのに、このAYA世代のこの現実知らなかったくらいですから、一般の人が身近なこととして、もっと現実を理解いただく為に、今のこの現実をしらせないといけないですね。

地域によっては、世代によっては、「がんを業の病(何かの原因があって病気を引き起こした)」ととらえて不用意な言葉を投げかける人もいると聞きます。きついですね。

先日この特集の番組を見ていて、ひどいなぁと思ったのは、抗ガン治療や放射線治療受けているAYA世代の患者さん、辛くてだるくて家でぼーっとしてると「なんで若いのにしっかりしなさい」「だらだらしてないで・・」と言葉を浴びることがしばしばだそうです。
傍にいる方もいっぱいいっぱいになって、つい言ってしまうんでしょうが・・。

動きたくても動けない。仕事したくとも歩く気力もない・・。がん患者本人のつらさは
はかりしれません。

タレントさんや芸能人でがんになった方は、ご自分のことで大変でしょうに、このような現実を知らせて、AYA世代のがん患者の大変さと現実を理解してください・・と訴える講演活動をなさってる方も多いようです。

がんに限らず、日本は「偏見」の強い国です。随分開かれてきていると思いますが、まだまだです。「がん治療中です」と言っただけで就職干された方もいるようです。そうかと思えば「がんにり患しても、会社とよく相談し、出勤を加減して今まで培ったキャリアを無駄にせず頑張ってほしい」という企業も、すくなからずあるようです。

「第三者が聞いてくれるとすごく嬉しいです」と若い男性患者さんは仰っていました。家の中で”どんづまり”になっていたので、ある会社が採用きめてくれた時、「特別扱いはしないけれど、”配慮”はするよ」と言ってくれたことが、ものすごく嬉しかった!と述べておられます。

若くして急性白血病になった女性は、打ち身もぶつけた覚えもないのに。指の一部が少し腫れて青くなっていたのを写メし、友人に送ったらすぐ受診を!とアドバイス。時間をおかずに治療に入れた・・と述べていました。このような小さな情報がじわじわ伝わることはとても重要です。そう思って、私もこのブログに、歯科の情報に限らず、日常の気になったことを上げるように心がけています。
いつか、どなたかが読んでくださって、頭の隅っこに情報が残っていたら・・と願って書いています。

ガンは怖いけれど、相手を知ってやることやって、希望の見える病になってきました。現場のドクターやナースも、治療や看護だけでなく、患者さんの心の声を聞いて下さるようになってきたと聞きます。それでなくとも大変なお仕事ですのに、そのようなサポートがあるときっとつらい時期も乗り越えられるに違いありません。

電車の中吊りにがん保険のポスターがありました。
 ”万が一でなく、二分の一です”
CMとはいえ、グッと迫りましたが、現実そうなのですから啓蒙になりますね。

病気になったら、「笑う」ことが大切!と言ったって、笑うことすらできない時もあるのが病気です。「特別扱いはしないけれど、配慮はするよ」と言って、がん患者さんを採用下さった会社の方のように、広くあたたかい心で、支えあうようになれたらいいですね。勇気を出して私も言葉がけをしていこうと思います。二人に一人なのですから・・。お互いさまです。