跋扈

樹木希林さんが亡くなった。

随分前に、映画「あん」の感想と感動を、このブログに書いたのを思いだします。

亡くなってからあちこちで伝えられる希林さんの思い出。
中でも、折々の言葉の豊かさにはびっくりさせられると同時に、ハッと辞書を引きなおす自分がいます。

「歳とったらね、跋扈はダメよ」
広辞苑引けば、上を無視して権勢を自由にすること。転じて一般に、勝手気ままにふるまうこと。のさばりはびこること。  とあります。

希林さんは、きっと「のさばりはびこること」を仰ったんだろうなぁ。

・身の果報。

・マイナスの出来事も含めて、自分の栄養  なんてこともおっしゃった

前回このブログで映画「あん」の感動を書かせて頂いた時、この言葉が
やはり今でも思い出される

   私は この世を見るために
          聞くために
          生まれてきた
   だとすれば なにかになれなくとも
   私達には 生きる意味があるのです 

他の番組では、「ありのままで役割がある」 とも仰いました

からだの衰えは 心が豊かになり成熟してること・・だとも

映画「あん」の著者 ドリアン助川さんは
希林さんの言葉には 「こく」がありますよね。「よく見てらっしゃいますよ」そして人間の機微に敏感ですと・・。その通りですね。本当に。

最近テレビや雑誌でお見受けする度、お身体を案じながらも、潔いその姿勢に、又着物をリフォームされて着ていると伺うお洋服の、斬新さとお上手な着方に、あんな風にお召しになれるんだなぁと感心してみておりました。着るものに負けないお人柄の厚みがよりステキにみえました。トロ~んとした小紋のブラウスには、襟元に同色のカメオをお付けになって。

スタイルのある、日本を代表する女性が亡くなったことを、とても悲しく思います。
丁度手にした10月号の婦人画報が、希林さんで茶道の特集。
貴重な方を失いました。