人は人を支え、人は人に支えられます

今年6月、タイの洞くつで地元サッカーチームの11歳から16歳の少年12人と25歳のコーチが閉じ込められる事故が起きました。記憶に新しいこのことはニュースで伝えられるたび世界中の人々がドキドキして見守りました。行方不明になって派遣されるまで9日。救出方法を探るのにさらに8日もかかりながら、全員脱出できました。

この子供たちが洞窟内で生き延びられたのに大きな力となったのが仏教の「瞑想」と言われています。一緒に閉じ込められたコーチは、幼いころに両親と別れお寺で育ち、そこで身につけた瞑想法を今回の子供たちに実践させて、不要な不安や絶望に陥ることなく、パニックを回避し、体力の消耗を防ぐことになりました。仏教国であるタイの子どもたちは、瞑想を受け入れる素地が出来ていたのでしょう。

タイ国内に、子供たちやコーチの軽率さを責めたり、自己責任を問う声があまり聞こえてこないのも、国民性が窺えてホッとするものがありました。困った時にはお互いさま。これも仏教国ゆえでしょう。

残念なことに救出の過程で、特殊部隊のダイバーが命を落としました。少年たちはその事実を重く受け止め、ダイバーへの感謝を口にしています。

思いがけない事故や災害に見舞われることがあります。いやそんな時だからこそ、人は人を支えます。人は人に支えられます。

「今まで将来の夢はサッカー選手になることだったけれど、今は海軍特殊部隊に入って困った人を助けたいと思っている」という救助された少年の言葉に遠く離れた国のことであっても、そういう人と人のつながりを知って、なぜかほっと致します。
簡単に言ってしまえばこうですが、本当によく救出されたと思うばかりの出来事でした。毎日ニュースで放送されるたび、ヒヤヒヤドキドキでしたが
人間の英知と強い気持ちがなせたこのことは、長く人々の心に大きな示唆を残すと思われます。(アーユスネットワークより引用)