京都御所の公開番組を拝見しました

庶民にはほど遠い話ですが、たまたまBS放送で特集でした。

12メートルもある黒漆のテーブルを作るまでの過程が明かされ、奈良の杉林を一本一本相応しい木を探すご苦労から放送され息のみました。日本の職人さんの思いいれと仕事の凄さを垣間見ました。

かといってどなたも「どうだ!すごいだろ!」ではありません。それどころか?プロの仕事を極めつつ、さりげなく全体がまとまるようにと、それぞれが凄いプロでらっしゃるのに考えて調和を取られていました。漆塗りのプロも12メートルもの板にむらなく仕上げるのは超人的な技術でしょう。

截金の細かい作業。息つかいを止めてなさっているような細かな作業が画面から伝わり、テレビを見ている私も息のむようでした。日本の工芸技術は圧巻です。

お料理担当なさる方も、ゲストの好みだけでなく、お国柄や拘り等々配慮して用意なさる大変さがおありのようでご苦労がしのばれますが、お残しなく召し上がって下さると望外の喜びと仰っておられました。

又花のご担当も、これまたゲストのお国を思い浮かべながら、特に和花専門の業者さんも居られて、随分懐かしい野山の花も画面から鑑賞できました。「かわらなでしこ」等最近は見ませんし、ビックリしたのは「美男かづら」という実物で、これは鬢付け油を取る実だそうで初めて見ました。その他時々花屋で見る小菊で面白い花弁の菊が「まつ毛菊」と知りました。野山を再現するような、まるで野山を歩いているとき、ふと風に揺れるがごとくに、お泊りになる洗面所の一輪挿しにさした草花に、滞在を寛いで頂きたい・・と言うさりげないお気持ちが伺えました。

それぞれのパートの方々がゆかしいお気遣いの元、海外の賓客が日本の心遣いを感じて帰られるようでした。よい番組でした。再放送望まれます。