調理器具のおかげで (朝日新聞・ユリイカより)から思うこと・・

生肉や野菜を細かくする「調理器具」を手にしたことがヒトの進化の原動力かもー。そんな論文が英科学雑誌ネイチャーに3月掲載された。
食べやすく調理することで効率よくエネルギーを摂取でき、ヒトの祖先が大きな脳や会話能力を伸ばすことが出来たのではないかというのです。

ヒトの祖先は260万年前、大きい歯とアゴを持っていました。その後、歯とアゴが小さくなる一方で大きな脳を獲得しました。ですが大きな脳はより多くのエネルギーを使う。口が小さくなったのに、より大量に食べないといけないのはおかしくないか?

その疑問を晴らそうと研究者らは、ヤギの肉やニンジンなどを用意し。実験の参加者に大小様々な形で食べさせたところ、案の定というか、生肉は弾力があり、最も咀嚼に時間がかかり、細かく刻むと食べやすかったということです。つまり、調理器具によって、小さい口でいいということになったかもしれません。

包丁や鍋だけでなく、電子レンジなど調理道具もどんどん進化してきた昨今。今もヒトは新たな可能性を切り開いているだろうか?としめくくっています。

今、私達(当院)では、食べる塊を出来るだけ大きく!特に小児の患者さんと親御さんにお話ししています。調理器具の進化に相反するようですが、”食べやすく食べやすく” していることが、食器としての歯に「なくてもイイよ!」と言ってるようなものです。そうなったら、宇宙食のようなゼリー状が食事になってしまいますね。大きなゴロンとしたお野菜をかじって、自分の歯で噛みやすくする。自分の歯で噛んで飲み込みやすくする。よく噛んで”つば”をいっぱい出して、飲み物が一緒でなくとも飲みこめるようにする。こんな素朴な原点を大事にしないと、「口」という機能が萎えてしまいます。
それこそ歩かないでいると、歩けなくなることと一緒ですね。