歯周病菌と認知症 (4・04朝日新聞より)

数百種類の細菌がいるとされる口の中。細菌が歯茎の隙間にたまり、炎症を起こすと歯周病になり、進行すると、隙間の溝が深くなって「歯周ポケット」ができます。

中等度以上の歯周病とされる4ミリ以上のポケットがある人は、厚労省の2016年の調査によると、30代で3割強、50代では半数が該当でした。
歯周病の原因は酸素を嫌う「嫌気性菌」です。
空気が届きにくい歯周ポケット内でどんどん増え、毒素を出し、放っておくと、最悪の場合は歯が抜けてしまいます。

歯周病菌が様々な病気を引き起こすことは、昨今テレビや雑誌で伝えられています。気管に入れば肺炎、血液に入れば糖尿病になりやすいこともよく言われています。近年、注目されているのが認知症との関連です。九州大学のグループが昨年発表した研究では、人で言えば中年に当たる、生後一年のマウスに「歯周病菌の毒素を5週間注射すると、学習・記憶能力が低下。脳に炎症が起きアルツハイマー病の原因となるタンパク質がたまっていた」そうです。このことから、歯周病菌がアルツハイマー病のような症状を起こすと考えられるとのことです。
同大学の武州准教授は「逆に歯周病予防が認知症予防にもつながる可能性があり、歯の手入れや定期的な歯科受診が大事」と述べておられます。

この記事からも、日ごろのおうちや職場でのケア(その方によりケアの仕方。使用した方がよい歯ブラシや・フロス・歯間ブラシ・歯磨き剤は違います)と定期的なプロのケア(その方により間隔が異なる場合があります)でバイオフィルム(細菌の塊)の破壊と除去をし、検査と診断を続けながら、お口の中の菌のコントロールを致しましょう。