認知症予防は「歯が命」(週刊文春より)

大きな電車の中吊りでつい買ってしまいました。それによると政府が認知症対策の国家戦

略をまとめた際、早期の対応が重要な認知症「歯を健康に保つことが認知症予防に大き

な効果を発揮することが明らか」と発表したらしいです。(1月27日付)

摂食機能療法を専門にする、植田耕一郎先生・〝歯がイイ人はボケにくい”を書いた倉治

ななえ先生・日本歯科大の小出馨先生によると、4400人の調査で自分の歯が19本以

下の方は要注意。高いヒールを履く方・足を組む人はリスク大・長電話やバス電車での

居眠りは歯の不調を招く・・と手厳しいご指摘です。ですが、歯を保つには、虫歯・歯周

病だけでなく、噛み合わせ・噛みしめ要するに悪い姿勢など考えれば、合点は行きます。

でも歳とるということは手足も不自由になり背中も曲がり、何かと姿勢も悪くなりますか

ら、一概に歯科だけで解決できることではありません。と言うより、当院のように「歯も

体の一部」と考え、からだ全体のことも加味して診断したり、サポートせねば”灯台もと

暮らし”になりかねません。入れ歯を入れていることを申告せず、整体屋さんに行って

首を引っ張ったりしては、かみ合わせも何もありません。整体なさる方も「入れ歯ですか

か?」と聞くくらいしてほしいものです。合わない入れ歯を放っておいた方のことは

先日「ためしてガッテン」で取り上げられ、ブログにもレジュメを書きました。入れ歯を

合わせ、食べられるようになり、お口元が整うと、鏡を見ようという気になります。鏡を

見れば自然と髪に手がいき、身づくろいをなさるようになります。一日何の刺激もなく

パジャマのままで、日にも当たらなければ、ぼーっとしてしまうのも当然です。

タバコ・歯磨き不足・甘いものをダラダラ食べる・・など歯に悪いことは一目瞭然ですが

一番は男女ともに、唾液の減少です。年齢によるものが大きいですが、高齢になるとお医

者さんからの「お薬が増える」ので、口渇と言って、お口がとても乾きます。薬大国日本

は尋常ならざる服薬量です。一度お医者さんとご相談されるとよいと思います。又食事も

食べにくいからと、軟らかくやわらかく、小さく小さくして飲み込みやすいように過分に

配慮する傾向にもあります。硬い必要はなくとも、味わえる限度の大きさ(テクスチャー

)があります。まだまだそのような状況にない方は、是非にご家族と話して、「食べやす

くしない」のも歯を残す・認知症予防に大切と思います。シチューや煮物やカレーなどの

野菜も大きくてもやわらかくすれば、かじって自分でお口の中で小さくできます。元来

日本食は「口中調味」というのです。

あの東北の震災の時も”お大事に症候”という言葉がいわれました。あの惨事の中で架空で

ものは言えませんが、お出来になる力や体力・気力のある方を大事にし過ぎて、本来もて

る力が「萎えた」と感じた医療関係者が多かったようでした。でもあの状況では仕方な

かったかもしれません。

これからの認知症予防には、今わかっていることを他分野が一つになって検証することで

す。人の体はパーツパーツで出来ていても、一つとして関係ないものはありません。です

ので、医科・歯科・薬剤・理学療法・栄養・言語等みんなで知恵を出し合えば、すばらし

い予防がすすむのではと感じています。歯科の分野でも、虫歯・歯周病をうまくコント

ロールでき口腔ケアが維持されれば、人間としての暮らしが保てると大きな希望と確信を

もっていますし、皆さんの意識が変わってきて、すばらしい健康観になられてきたと

思います。一人でも多くの方に「口は健康の源・認知症予防に優先事項」と思っていただ

ければ幸いです。